4代目3シリーズ(E46)の5つめのボディタイプとして、セダンの登場から3年を経た2001年に登場したti。
セダンとも、ツーリングとも、クーペとも、カブリオレとも外板を共用せず、
どこから見ても非常に個性的なエクステリアデザインを身にまとって登場したE46-tiのデビューは、
新世代「Valvetronic」エンジンのニュース性も手伝って話題性に富むものだった。
リアオーバーハングを切り詰めてCピラーを寝かせた独特のプロポーションを先代E36-tiから受け継ぎながら、
やや眠たげな目つきの独立4眼ヘッドランプ、フロントフェンダーで鋭角に折り返されたキャラクターライン、
クリアカバー付き丸形テールランプ等、E46-tiのエクステリアには
「BMW3シリーズ」という名前からは想像し難い、斬新な造形がそこここに散りばめられていた。
インテリアもダッシュボードの基本造形こそ他のE46系と共用するものの、
インテリア素材や内装カラー、トリムパネルのバリエーションには
ti専用の個性的なコンビネーションを含めて実に多様で多彩な選択肢が用意されており、
それらには明確にE46の他のボディタイプと一線を画す主張があった。
エクステリアも、インテリアも、それまでの常識から意識的に離れていこうとしているような意図を感じる。
ドイツ的な洗練度の高さやBMWらしい進取の気勢に、
イタリア的な華やかな鮮やかさと、イギリス的な遊び心を加えたような・・・。
加えて、専用のフロアやシャシーセッティング、
「Youngline」と呼ぶ独創的なパッケージオプションを用意したことなどもまた、
E46-tiに与えられたキャラクターや思い入れの質を物語っていた。
もちろん、そういうこと以前にE46-tiはBMWのPhilosophyを全身で体現する存在だ。
実はものすごくしっかり考えられたパッケージングを持っているし、
表層的なエクスプレッションではない、芯からのスタンス(being)の確かさを感じさせてくれる。
BMWとしてのDNA濃度は、見かけのユニークさとは裏腹に、実に高いと思う。
そして、目に映る数々のユニークさは、
そもそも、このモデルが世に生まれ出るに至る成り立ちのユニークさの現れに他ならないという気がする。
+ + +
整然と並ぶBMWのラインナップの中で、E46-tiの立ち位置は、どこかズレていた。
BMWラインナップの中で、しっくりと収まる居場所が見えなかった。
これは、外れてしまったのではない。
意図的に「外して」いたのだ。
BMWとしては、このtiに、
3シリーズのひとつのバリエーション、あるいは所謂「E46のエントリーモデル」という役割を超越して、
新たなセグメント(Neue Klasse)を創出するにあたっての
「パイロットモデル」としての意味を託していたような気がする。
パイロットモデルの使命は、「実験」だ。
そして、ここでいう新たなセグメントとは、
E46-tiに遅れること約3年、2004年にデビューした1シリーズのこと。
BMWのメインストリームを構成する新たな一員として誕生した1シリーズは、
BMWラインナップを「整然と」拡大するスタンスが明確であり
その立ち位置に意図的な「外し」は見られない。
意図的な実験性に満ちたE46-tiの存在がフィールドで残した結果が、
立ち位置を固めつつあった1シリーズの最終路線を規定した・・・かもしれない。
1シリーズがここまで本流に徹することができたのは、E46-tiあってのこと・・・かもしれない。
それにしても、
本流本命の1シリーズを世に送り出すたかだか数年前に、
敢えて異質なE46-tiを存在させることになった背景には何があったのだろうか?
部外者の私としてはその答えを知る由もないが
個人的な邪推としては
「誰かの心意気」だったと感じている(^^)。
そして、その「心意気」を、しっかり造り込んだ商品として世界に問うことができるBMWという会社に、改めて敬意を表したい。
+ + +
E46-tiは2004年11月に生産を終了、
約3年強という、BMWとしては異例に短いモデルライフを終えた。
About E46-ti コンテンツリスト
  
Introduction
  Characteristics - Exterior - Design (工事中)
  Characteristics - Exterior - Colors & Variation (工事中)
  Characteristics - Interior - Design, Material & Colors
  Characteristics - Interior - Variation
  Gallery - at Launch
Gallery - after Facelift
  Gallery - Interior